“プレイヤーインタビュー” on 次期国際協力大型ミッション JUICE Japan Web (JAXA)

10/16(火)には日欧共同水星探査機 BepiColomboの打ち上げに伴い、南米の仏領ギアナ・Kourouにある欧州射場に出張予定です。(link先:先日のPPARCブログ)この緊張の中で、「2022年打ち上げのミッション」の話、というのも個人的にはちょっと違和感があったりはするのですが、ちょうど公開された、とのことですので。

欧州木星探査機JUICE計画に搭載される電波・プラズマ波動観測装置「RPWI」(紹介の日本語論文:こちら)の日本側観測装置責任者を遂行する関係で、昨年度末にインタビューを受け、割と気楽に話をした結果をまとめていただいたのが、このリンク先となります。

次期国際協力大型ミッション JUICEプレイヤーインタビュー:Vol.5 / 2018.10.5
(on JAXA JUICE Japan web)

欧州ミッションなので、どうせなら英語にしていただけると、ESAや欧州サイドからもlinkしていただけるのにな、と思う反面、こうして大学サイドの貢献度がきちんとJAXAのwebサイトで頂ける、というのは、ありがたいことではあります。なお、メーカーサイドの方々のお名前は出しにくいらしく削除されてしまいました。でも、私としてはこういう「原稿にして歴史に残せる機会」は、一緒に苦労を耐えていただいた方々への目に見えるまた残る「お礼の機会」だとも思っております。我々の場合、メーカーの方々は単なる「発注先」ではとてもなく、一緒に考え苦労・工夫してきた「戦友」であり、「発注元」「発注先」というドライな関係にはなりえませんので。(良くも悪しくも、日本の宇宙科学の質は、この相互の信頼関係とリスペクトがあって進んできたもので、これなしにはそもそも日本の低予算でまともな国際競争場裡に立てるとは私には思えません・・・・まあ、幸い、東北大契約ではないですのでね。)・・・ということで、この場を借りて、私が直接関わってきた中で数知れずいろいろお世話になってきた日本電気・三菱重工・日本飛行機、そしてJUICE真っ只中での明星電気の皆様に、ここで御礼を申し上げます(どなたもここの存在には気づかないと思いますが)。

また以下は、この取材時に撮影いただいた「東北大にいる JUICE RPWI Japanの全スタッフメンバー集合写真」です。これは「ぜひ使ってくれ」とお願いしたがためにJAXAのサイトにも同じ写真はあるのですが、お名前がないので、ここでご紹介を。

<後列> 坂野井さん (准教授:惑星&オーロラ 光赤外観測)、熊本さん(准教授:惑星 電波・レーダー観測)、北さん(現JAXA・学振特別研究員:惑星 電波・赤外線・紫外線観測)、加藤さん(教授:地球・惑星 プラズマ大規模シミュレーション)。<前列> 土屋さん(助教:惑星&オーロラ 電波・紫外線観測)、私、三澤さん(准教授:惑星 電波観測)

こういう「チーム全員集合写真」を撮る機会は意外に稀で、例えばこの写真には金沢大・京大・名古屋大他の面々は、物理的にいなかったので写っておりません。この点は最近ちょっと反省中で、歴史にちゃんと「形で」刻むという意味で、写真は大事にしようと思っています。(ものの写真は「記録」として山ほどありますし、サイエンスチーム全員写真みたいなものは研究会であるのですが、「開発チーム」となると、目の前の作業にいっぱいいっぱいで、「人」の写真は撮らないのですよね・・・とっても、工場の中の写真とかですと、うっかり掲示もできませんし・・・・) (なおここは、うちの建物の「打ち合わせ」兼「図書室」です。)

以下は、「JUICE RPWI Japan」の状況です。

ブログ掲載のとおり、8月に夏休みを返上してのウプサラでの統合試験後、日本側で「電波プリアンプ(RWI Preamp)」の品質保証モデル(Qualification Model, QM: まだ飛びません。)の出荷試験を明星電気のみなさまと行ってきました。

9月頭には院生の中村君(M1)にも手伝ってもらいつつの「機械環境試験(打上・分離時等の振動に耐え抜くことを証明する試験)」。9月中旬には院生の平井さん(M2)にも3交代制の一翼を担ってもらいつつの「熱環境試験(木星近傍の-180degC から 金星近傍の +110degC まで耐え抜くことを証明する試験)」。

現在、これらを含め、7月末から進めてきた各種試験結果をまとめた「出荷審査資料」を作成して、昨日、審査委員へ送付。10/12(金)に、現物を前にしたこの出荷審査を行ったうえで、これにつける「3軸6本のアンテナ」を作成中のポーランド・アストロニカ社へ出荷される予定です。彼らにとって、ちゃんと宇宙で伸展可能なアンテナをうちのプリアンプに組み合わせてフルに試験するのは、実はこれが初めて(私からみればとても心配)。なんとかこの品質保証モデルでの試験を通過して、無事、フライト品の製造へ反省を反映させて頂けると幸いです。

ハイデルベルグ大にAlexくんが帰り、また新たにPaulくんがくる、とかの形で、いろいろ人も入れ替わりました。後期に入って私は1年生・3年生向け講義も始まり(顔と名前が一致しない・・・)、また今年度のM・D論中間審査も開始され(みなさま、国際水準に達するものを生産すべく、頑張ってください・・・)と、いろいろ急速に時は動いていきます。着実に頑張っていく予定です。

(文責:笠羽)