オーロラ、大気光、地球電磁圏と高層大気、放射線帯の物理

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オーロラと極域電離圏

れいめい衛星搭載のオーロラカメラや地上光学観測機器を用いて、アルフベン波加速に関連するディスクリートオーロラや、ピッチ角散乱による脈動オーロラやブラックオーロラを調べました。また、磁気嵐時に窒素分子イオンが上部電離圏まで上昇して共鳴散乱発光する様子を、初めて地上から観測することに成功しました。さらにアラスカ・ポーカーフラットにオーロラの偏光分光観測器を設置し、長期間観測を実施しました。北欧ではEISCAT/ESRレーダーと光学との同時観測から、オメガバンドオーロラと低高度(〜80 km)まで電離する高エネルギー電子との関係を明らかにしました。国際宇宙ステーションのIMAP/VISI観測データを用いて、低緯度オーロラの研究も進めています。


Fig. Auroral polarization imager at Poker Flat, Alaska.

オーロラ、大気光、地球電磁圏と高層大気、放射線帯の物理

放射線帯高エネルギー粒子

私達は人工衛星に放射線計測装置を搭載し、地球磁気圏の内側の高エネルギー粒子に満ちている「放射線帯」を直接観測し、 その変動を探っています。私達の研究の結果、放射線帯外帯にある高いエネルギー電子が、磁気嵐時に消失するメカニズムが分かりました。さらに現在、第3の放射線帯の生成機構について、研究を進めています。


Fig. Schematic drawing of the Earth’s radiation belts.

オーロラ、大気光、地球電磁圏と高層大気、放射線帯の物理

中緯度・低緯度の熱圏と電離圏

最近、地上付近の大気と上空高度数百 kmの大気に密接な上下結合があることがわかってきました。私たちは、国際宇宙ステーションに搭載された可視・近赤外分光撮像装置IMAP/VISIの観測データを用いて、高度100〜300 kmに層状に広がる大気光の濃淡を解析しています。とくに地上大気現象との因果関係が明瞭な同心円状の大気光分布に着目しました。3年間のIMAP/VISIの観測で、同心円状大気光は235例と多く発見され、その原因や季節変動などの特性を解明しました。


Fig. Airglow and auroral images taken from the international space station. (c) NASA

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