太陽系惑星・衛星と系外惑星

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イオ起源ガスと木星磁気圏・オーロラ現象

木星の衛星イオには太陽系で最も活発な火山活動がみられます。私達はその火山性ガスに起因する酸素原子とナトリウム原子の発光を、ひさき衛星地上望遠鏡を使って観測し、木星の周辺環境が、イオの火山活動によってどのように変化するかを研究しています。


Fig. ハレアカラT60/Vispecで観測された衛星イオの軌道付近に分布するプラズマの発光(プラズマトーラス)

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エンケラドス起源ガスと土星環境

土星の衛星エンケラドスには水蒸気の噴出する裂け目が存在し、公転軌道上にその噴出物が環状に分布(エンケラドストーラス)しています。私達はエンケラドストーラスに含まれる酸素原子の発光を地上から連続的に観測し、土星磁気圏周辺の環境がどのような影響を受けるかを研究しています。


Fig. エンケラドストーラス酸素原子発光のモデル計算の例.

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太陽観測による粒子加速・プラズマ輸送過程の探査

飯舘惑星電波望遠鏡(IPRT)に設置したメートル波帯広帯域偏波スペクトル計測装置(AMATERAS)を用いて太陽電波バーストを観測し、電波発生に寄与する(微小な)粒子加速現象や太陽面現象を調べるとともに、宇宙や高空での人類の活動に影響を及ぼす危険な高エネルギー粒子現象(SPE)発生との関連も探っています。また、粒子加速現象の全容把握やSPE発生に深い関係がると考えられている低周波太陽電波の検出を目的として、観測周波数帯域を拡げた高感度計測を可能にする新しい観測装置の開発も行っています。取得されたデータはweb(https://pparc.gp.tohoku.ac.jp/research/iprt/)から参照頂けます。また、地上や科学衛星の多波長光学観測に基づく、太陽活動域での磁場浮上に伴うプラズマ輸送過程の研究も開始しています。


Fig. Micro structure of solar Type-I radio burst observed with IPRT/AMATERAS (after Iwai et al., ApJL, 2013).

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木星電波観測による磁気圏変動過程の探査

木星は太陽系惑星の中で最も強い磁場を持ち、また、最も高速で自転しています。また、活発な火山活動を示す衛星イオから流出する硫黄や酸素などの重イオンが、木星磁気圏の主要なプラズマ源となっています。これらの特徴が相俟って、木星磁気圏には、地球磁気圏と同様の”太陽風と磁気圏の相互作用により発生するエネルギー”に加えて、”強い磁場に捉えられ高速で回転するプラズマにより発生するエネルギー”も加わり、木星磁気圏には高エネルギープラズマ起源の多様な電波やオーロラが存在します。木星電波は、放射過程で大別すると、木星にも存在する”放射線帯”の高エネルギー電子を起源とする”シンクロトロン放射”とオーロラとも関係を持つ”プラズマ放射”の2種類が存在します。私達は、本学と情報通信研究機構の大型アンテナやインドの大型電波干渉計GMRTを用いた国際共同観測で前者を、飯舘観測所他のデカメートル電波観測装置や科学衛星で計測された電波データを用いて後者を解析し、変動様相とその背景にある磁気圏での物理過程を探っています。前者については木星放射線帯粒子の日スケールの変動原因の探求、後者については準周期的に発生する大規模な磁気圏変動原因の探求がホットな研究課題になっています。


Fig. 木星放射線帯電波マップ

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系外惑星の偏光観測

ハレアカラT60望遠鏡に取り付けられたDIPOL-2観測装置をもちいて、系外惑星大気による偏光を観測しています。主星の光に対して系外惑星大気の偏光は約10万分の1よりも小さいですが、高精度の測光モニタリング観測をおこなうことで、系外惑星の公転周期に伴う変動を捉えることで、惑星の軌道要素や大気の構成を調べています。ハワイ大、ドイツやフィンランドとの国際共同研究です。


Fig. 系外惑星の想像図.

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