ヘテロダイン at IRTF
NASAのTed, Tim, Johnと一緒にIRTFでヘテロダインを使って火星観測をしています. この時期の火星をIRTF/HIPWACでみるとMSLがいるGale Crater(100km)が分解できるので, クレーターの中や外の二酸化炭素同位体を測定して、その日変化(LT分布)などを調べています. 特に衝撃だったのは636の美しいスペクトル, 40分程度の積分で高高度のcoreと低高度のwingが明確にみてとれます. 同位体の高度分布が生データでみてとれるのです! これは凄い. ヘテロダインのポテンシャルの高さを感じました. 是非我々もトライしたい. 一方で, ヘテロダイン観測の大御所文句無しの世界トップチームが, 想像できなかったくらい苦労して観測していることには驚きました. 何十年もやっているからもっと苦無くやっているのかと思っていたら, かなりの頻度でアラインメントの調整をしたり, 様々なチェックを繰り返し, それでも尚トラブル多発で都度それを解決していきます. これはとても感慨深く, 7月から始まる自らの観測について考えさせられました. まだまだやることはたくさんありそうです. 但し, 天気は上々, 湿度も一桁, シーイングも非常にいいのでエアマス2.5までやる日もあります. 連日のハードスケジュールと高山病で疲労困憊ですが, バファリン最高です. 写真はTedがとってくれたMauna Kea West. (中川)