PPARC セミナー (2024/10/11)

PPARC セミナー (2024/10/11)

(1) Ryota Kinoshita

[Title]  

木星磁気圏の観測に向けた近赤外分光撮像装置ESPRIT及び中間赤外観測装置MIMIZUKUの開発

[Abstract]  
太陽系最大の巨大惑星木星では、イオ火山を起源とするプラズマは共回転型磁気圏で加速され、電離圏-熱圏結合を通じて極域オーロラ発光を引き起こす。そのため、木星オーロラとイオからのプラズマ供給、ならびに木星磁気圏でのプラズマ輸送との関係を知ることは、木星磁気圏変動現象の理解に本質的である。東北大学が開発中の近赤外分光撮像装置ESPRITはエシェル分光による高波長分解能を特徴としており、木星H3+オーロラの発光強度及びH3+イオン風の風速の導出を目標としている。一方東京大学アタカマ望遠鏡プロジェクト(TAO)に搭載されるMIMIZUKUは2-38umという非常に長い観測波長をもっており、これとESPRITの協調観測により溶岩から火口まで幅広い温度帯の観測が可能である。本発表では中間審査にむけてこれら二つの観測装置の開発状況について詳述する。


(2) Keiya Kawagata

[Title] 

[Abstract]

私たちは、Arase衛星において衛星電位から地球磁気圏・電離圏の電子密度を導出することを検討している。電子密度は、磁気圏の構造や変動を理解するのに不可欠な情報である。衛星電位を活用することの目標として、
①欠損時間の少ない電子密度情報の生成
UHR周波数から求める電子密度との比較から低温電子情報の導出
③Arase衛星での電場計測の精度を支える
BepiColombo水星探査における衛星電位計測の基盤を与える
が挙げられる。その中でも、本セミナーにおける目標として、
①Arase衛星における衛星電位とUHR電子密度の相関の評価
②衛星電位と電子密度の相関の経年変化を見ることにより、probe表面の経年劣化の評価
を挙げる。
 解析方法として、UHR level.3のデータが存在する期間である2017年4月~2022年4月のデータを使用し、衛星電位とUHR周波数の相関を1か月ごとに作成した。また、4つの遠地点local timeについての経年変化を評価した。
 今回得られた結果の一部として、衛星電位とUHR電子密度には、exponentialのような相関が見られた。