飯舘観測所の現況2:「除染が実施されました」
2015年5月5日付けの当ブログで、飯舘観測所も除染実施間近、とお知らせしました。この除染作業が5月末から一月半ほどかけて行われ、7月中旬に終了いたしました。複数ある観測棟の外壁や屋根は拭き取り、下回りは高圧洗浄を実施頂きました。観測棟や大型電波望遠鏡の周囲や場内の通路は、表土除去の上、客土(砕石敷設)を実施頂きました(写真1)。また、観測所は国有林内の起伏のある土地に設置していますが、傾斜地は草類を剥ぎ取り頂くとともに、落葉等の堆積物も除去頂きました(写真2)。
飯舘観測所では、2011年3月の福島第一原発事故発生後約一ヶ月の4月下旬から、所内の数カ所で定期的に空間放射線量のモニタリングを行ってきました。今回、除染を実施頂いたことで、空間放射線量は除染前の大凡3分の1に低下いたしました(図1)。観測所作業等が安心して行えるようになったことを、関係者一同、大変感謝しております。
末筆ながら、この場をお借りして、今回の観測所の除染実施にあたり、細やかなご配慮を下さった環境省と特定建設工事共同企業体(JV)のご担当者の皆様、蒸し暑い梅雨空の下、広い除染対象箇所を丁寧に作業を実施下さった沢山の皆様に篤く御礼申し上げます。
(三澤浩昭)
写真1.大型電波望遠鏡周囲の除染作業の様子。表土の除去と客土を行って頂いています。
写真2.観測棟北側斜面の除染作業の様子。草類の剥ぎ取り・除去が終了したところです。
図1.東北大で計測した飯舘観測所の地上1m空間放射線量の経時変化(6定点の平均値)。