ガリレオ衛星の食
木星には、ガリレオ衛星と呼ばれる4つの大きな衛星があり、木星の周りを2-17日の公転周期で回っています。この様子は5cm程度の小さな望遠鏡を使っても観察することができます。これらの衛星は、木星の背後に近付き、太陽がつくる木星の影に入ってしまうと、地球から見える位置にあるにも関わらず、数10秒の内にふっと消えたように見えることがあります。これをガリレオ衛星の木星食と呼びます。左上の画像は、ハワイの60cm望遠鏡に同架した口径5cmの望遠鏡で、衛星イオ(Io)の木星食の様子を観察したものです。左下の図は、同時刻の木星の影と衛星の位置を示しています。12:15UTあたりで、イオが突然見えなくなっている様子がわかります。
衛星が木星の影に入っている間は、普段太陽に照らされて眩しくて見えない、衛星の大気で起きている様々な発光現象を捉える絶好の機会です。イオでも、オーロラや火山火口からの光が食のときに詳しく観測されています。(鍵谷)