国連・宇宙天気ワークショップを協賛

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惑星プラズマ・大気研究センターに異動する前は、JAXA筑波宇宙センターで、宇宙環境の観測を行っていました。人工衛星と宇宙飛行士に危害を及ぼす、太陽から放射線の観測を担当し、危険情報をリアルタイムで宇宙機の運用の現場に届けていました。

東北大学 惑星プラズマ・大気研究センターでは、大型の電波望遠鏡を用いて、太陽の表面爆発、そしてそれによって引き起こされる太陽のプラズマ大気放出について、地球から遠隔観測を行っています。

私は、これまでの経緯もあって人工衛星を用いた宇宙空間での放射線粒子観測を行うと共に、地上からの電波観測と組み合わせる事によって、太陽放射線の発生予測につなげて行こうと、惑星センターの先生方と太陽放射線の研究に取り組んでいます。

そんな折、国連主催の宇宙天気ワークショップが、去る3月の最初の週、福岡県で開催されました。共催した九州大学・国際宇宙天気研究教育センターの先生方に協力しようと考え、東北大学から賛助金を頂き、国連ワークショップに協賛をさせていただきました。

このような国連主催のワークショップは、実は、JAXAの宇宙飛行士でおられる土井隆雄さんが企画されています。土井さんは、数年前から国連宇宙部・宇宙応用課長として、ウイーンの国連本部で宇宙技術の普及の仕事をされています。

私は、2011年から国連宇宙平和利用員会の宇宙天気専門家会合の議長を仰せつかっていて、土井課長とは年に2回ほど会っていました。そして、日本で宇宙天気のワークショップ開催のお話を伺い、お手伝いしたいと思いました。

ワークショップには、世界30か国から研究者が集まり、大変活発な発表と議論が続きました。九州大学の素晴らしいホスピタリティのお蔭で、参加者はとても満足した1週間だったと思います。

今後は、場所を別のところに移して、宇宙天気ワープショップが開催されて行きますが、太陽研究の一つの社会貢献(宇宙の安全な利用への貢献)として、宇宙天気は確かに存在していると、あらためて感じました。

(小原隆博)