MOP2017 conference

6月12~16日にスウェーデンのウプサラ大学でMOP2017(Magnetospheres of the Outer Planets 2017)会議が開催されました。この会議は、Pioneer探査機が初の木星探査を行った1974年にその前身となる会議が行われ、それ以来数年に一度の頻度で欧米各地で開催され、今回で19回目を迎えた歴史のある国際会議です。この会議では、その名の通り、巨大惑星やそれらの衛星の超高層、電磁圏環境やその変動現象に関する最新の研究内容が紹介されます。今回は、2004年から土星を周回しながら探査を行ってきたCassiniが今年9月に探査の最期を迎える”Grand Finale”に向かいつつあり、大きな関心の下、研究集約が進んでいること、また、昨年9月に周回軌道投入に成功し2機目の木星探査機となったJunoの初期観測結果が公表された時期でもあることから、従来に増して多くの研究者が参加し、活発な講演・議論がなされました(講演件数:205件、前回会議より約1割増)。惑星プラズマ・大気研究センターからはスタッフ・院生を合わせて4名(地球物理学専攻C領域からは8名)が参加し、ハワイ観測所での光学観測や科学衛星HISAKI他の光学・電波観測に基づく木星衛星イオ起源プラズマの変動様相やその磁気圏への影響等について研究紹介を行うとともに、今後の共同研究等についての議論を行ってきました。

今回の会議での!なニュースとして「仙台が次々回の会議開催地に決定したこと」も挙げられます。実は仙台開催は2011年初夏に予定されていましたが、東日本大震災の勃発により開催を返上した経緯があります。震災後6年を経た現在の復興状況を会議参加者に理解頂き、2019年乃至2020年に改めて開催することになりました。MOP会議の日本での開催~欧米以外での開催~は初めてで、本領域の研究推進面は勿論、地上・科学衛星観測や探査機搭載機器開発等で行われてきている国際共同プロジェクトの推進に更に弾みがつくことを、また、日本の、関連領域の多くの研究者や若手・学生の方に本領域の研究を知って頂き、参画頂く好機となることを期待しています。私達C領域はホストとしての役割も担いますが、多くの皆様を改めて仙台にお迎え出来ること、一緒に会を催せることを今から楽しみにしています。(文責:三澤)

※MOP2017のホーム頁:https://www.irfu.se/mop2017/

図. MOP2017が開催されたウプサラ大学オングストローム研究所。ウプサラ市中心部から徒歩30分程の丘陵地にある、自然と融合した素晴らしい会場。


会議のシンボルキャラクター”MOP”(©Magnetospheres of Outer Planets 2015)