「木星」をテーマにした研究紹介
このページでは、本センターの木星に関する研究を紹介しています。
基礎情報:木星(もくせい、英: Jupiter)は太陽系にある惑星の1つで、内側から5番目の公転軌道を周回している太陽系の中で大きさ、質量ともに最大の太陽系第5惑星です。木星およびそれと同様のガスを主成分とする惑星(ガス惑星)である土星のことを木星型惑星(巨大ガス惑星)と呼びます。周期は11.86年であり、これは土星の5分の2に相当します。この2つの巨大な木星型惑星は、その公転周期が軌道共鳴5:2の関係にあります。木星は、太陽輻射で受ける熱よりも多い熱量を放射しています。
木星の衛星のうち、火山活動が活発なイオと、氷で覆われたエウロパに注目しています。イオから発生した硫黄や酸素のイオンは、ドーナツ状のイオプラズマトーラスとしてエウロパ軌道まで広がっていますが、エウロパ周辺での観測には限りがあります。
本研究では、宇宙望遠鏡ひさきに搭載された紫外線分光器(EXCEED)を用いて、エウロパ軌道の硫黄イオンと酸素イオンの輝線を世界で初めて検出しました。
現在は、イオからエウロパにわたる電子密度や温度、イオン組成の空間分布を導出するツールを開発しています。今後は、2015年1月に発生したイオ火山噴火前後でのプラズマ特性の時間変化や、プラズマがイオからエウロパへ輸送される過程を研究していきます。