火星をテーマにした研究紹介
このページでは、本センターの火星に関する研究を紹介しています。
基礎情報:火星(かせい、英: Mars)は、太陽系にある惑星の1つで、太陽系内では水星より大きく2番目に小さい太陽系第4惑星です。火星は大気の薄い地球型惑星で、月の衝突クレーターや地球の谷、砂漠、極地の氷冠を思わせるような表面形状をしています。別名の赤い惑星とは、火星の表面に存在する酸化鉄の影響で、肉眼で見える天体の中でも独特の赤みを帯びた外観を持つことを指します。 また、自転周期や黄道面に対する回転軸の傾きが似ているため、1日の長さ(火星日)や季節は地球と同等です。
MMXは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進める火星探査ミッションで、2つの衛星「フォボス」と「ダイモス」の起源を調べ、フォボスの表面から試料を採取して地球に持ち帰る計画です。打ち上げは2026年、地球帰還は2031年を予定しています。この探査によって、火星の衛星の起源を解明し、太陽系の進化の理解が深まることが期待されます。
MMXには複数の科学観測機器が搭載されており、そのひとつであるMIRS(MMX赤外分光計)は衛星の表面から放射される赤外線を分析して、鉱物や氷などの組成を調べ、フォボスの起源や物質の分布を詳しく知る手がかりを得るとともに、火星の大気の観測を行います。
東北大学はMIRSの開発に関わるとともに、MIRSが観測する火星大気の赤外分光データから火星の気象現象を調べる解析手法の開発を行なっています。photo by JAXA
宇宙科学研究所MMXプロジェクトページ
LAPYUTAは、宇宙科学研究所・公募型小型計画のプリプロジェクト候補として検討を進めている紫外線宇宙望遠鏡計画です。宇宙の生命生存可能環境(目標1)と宇宙の構造と物質の起源の理解(目標2)を目指し、以下の4つの科学目標、(1)太陽系内天体の生命生存可能環境, (2)地球型系外惑星の大気,(3)近傍銀河の形成過程,及び(4)宇宙における重元素の起源、を掲げて検討を進めています。
これらの科学目標を達成するため、水素、酸素、炭素の輝線を含む110-190nmの真空紫外波長域で、高い空間解像度と波長分解能を持つ紫外線宇宙望遠鏡の開発を進めています。打ち上げ目標は2033年です。東北大は望遠鏡および観測装置の光学設計と科学検討の両面でこの計画を主導しています。