惑星シンクロトロン電波望遠鏡


この装置は、木星放射線帯内の高エネルギー電子から放射される電波(シンクロトロン放射)を観測するための電波望遠鏡です。古典的には放射線帯は非常に安定な存在であると考えられてきましたが、近年の地球での観測例からはこれを覆す結果が報告されています。これと同様に木星放射線帯も変化しうるものと考えられ、その様相は観測される電波強度やスペクトルの変動となって現れます。
この装置の大きな目的は、木星シンクロトロン放射の集中的な観測を行い、電波強度やスペクトルの変化から、放射線帯粒子の加速過程、輸送過程を解明することにあります。


アンテナ形式 非対称オフセットパラボラ
開口サイズ 31m × 16.5m × 2式 (1023 m2 )
焦点距離 12m (F/D 比: 0.39)
反射面 ワイヤーメッシュ (20mm × 20mmピッチ)
面精度 12mm rms
給電系 平面反射板付きクロスダイポール
架台 経緯台
駆動範囲 高度角 20~100度
方位角 -270~270度
指向精度 0.1度以下
観測周波数 325 MHz, 780 MHz
ビーム幅 1度@500 MHz
システム温度 150 K
最小検出感度 0.07 Jyc* (@帯域幅 10 MHz、時定数 10秒、開口能率 0.6)

*Jy = 10-26 W/m2/Hz