センター長からのメッセージ

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太陽系で唯一我々が「今」生存可能な地球は、「宇宙にあまたある惑星」の1つです。その環境の貴重さと脆弱さは、「兄弟惑星」であるはずの金星が陥っている灼熱温室や、火星では遠い過去に消え去った水の痕跡からも明らかです。とはいえ、地球は生命を生みまた維持できる宇宙で唯一の場所、とはいえません。太陽系でも、火星の地下水、木星・土星の氷衛星の地下海が知られつつあります。こうした「流体の水」は、我々が知る「地球型生命」ですらその存在を可能とするかもしれません。さらに宇宙に溢れる系外惑星の中には、十分な大気と水を抱えた「第二の地球」も存在するでしょう。
この太陽系は、地球の貴重さを知る現場であるばかりでなく、私たち文明の現在そして未来のフロンティアでもあります。その探査と開拓は、人類を包む未来の文明空間を創り出すことでもあります。
私たち人類を生み育くむこの太陽系の全域が、私たち東北大・惑星プラズマ大気研究センターの研究対象です。当センターは、地球、そのエネルギー源である太陽、探査機が常に飛翔する火星、日本の探査機が周回する金星、そして日本の探査機が向かう水星や木星など、太陽系の変動と進化の解明を目指しています。
理学研究科の地球物理・地学・天文学専攻の仲間達、本学各所におられる宇宙を舞台とした研究活動を繰り広げる皆さん、そして日本と世界に散らばる同志の方々と共に、日々、太陽系を舞台とする研鑽を積んでいます。ぜひこの旅へのご参加とご支援を賜りますと幸いです。
(笠羽康正 [2018/4からセンター長])

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