「惑星圏研究会」が開催されました。
2016年2月22日~24日の3日間に渡り、東北大学大学院工学研究科青葉記念会館で「惑星圏研究会」が開催されました。この研究会は2000年に「電波と光による木星磁気圏・大気圏観測研究会(大家コンファレンス)」として初めて開催され、以来、毎年1回開催されており、今回で第17回になります。惑星プラズマ・大気研究センターは、初回より、この研究会のメイン・ホストを務めてきました。(惑星圏研究会についてはこちら もご参照下さい。)
昨年12月には日本初の惑星探査機となった「あかつき」の金星周回軌道投入成功がありましたが、今夏にはNASAのJUNO探査機の木星周回探査の開始や、その後には日本とESA(欧州宇宙機構)との共同ミッションである水星探査機の打上が予定される研究等、今後も新しい惑星直接探査プロジェクトが続きます。この惑星探査ラッシュの時期を鑑み、今回の研究会では、今後特に期待されるサイエンスについて、各プロジェクトに関係の深い国内外の研究者をお招きして特別セッションが行われました。また、今回の研究会では、初めて2つの共催セッションも開催されました。一つは、本研究会に参加される多くの方が会員となっておられる、地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)の2つの研究分科会:太陽地球惑星系科学シミュレーション分科会、小型天体環境分科会にホスト頂いたセッション、もう一つは、名古屋大学宇宙地球環境研究所(太陽地球環境研究所)共同研究集会「太陽地球惑星系分野における博士課程進学者・博士号取得者による合同セミナー」のセッションです。
今回の研究会はこれらのセッションの共催もあり、国内外から20研究機関、計約100名の方にご参加頂き、75件の講演(口頭45件、ポスター30件)が行われました。2000年に行われた研究会初回は、2日間の開催で、13研究機関の参加、33件の講演(口頭のみ)の内容でしたので、研究会の規模も拡大し、参加者・講演数も随分増えて参りました。学生の方の参加についても、初回は2研究機関のみの参加で講演数も7件でしたが、17回目の今回は参加研究機関7、講演件数30と、大きく増えました。惑星研究の次代を担う多くの学生の方の参加は、大変喜ばしいことです。ただ、近年、参加研究機関数や学生講演数(地球以外の惑星に関する講演数)に大きな変化がないように見受けられるのは些か気懸かりです。今後の惑星研究の展開に向けて、特に若い芽を如何に増やし育てていくか、それらも勘案し、この研究会をどう活用してゆくか、が更なる課題になってきています。
(文責:三澤)
図1 最終日午後の火星セッションの一コマ@青葉記念会館4階研修室
図2 ポスター講演コアタイムの一コマ@青葉記念会館1階ロビー