土星からの電波を用いたタイタン電離圏の探査とJUICE計画への応用

本研究では、惑星から放射される電波が衛星の電離圏(電気を帯びた大気層)を通過する際に起こる屈折現象に注目し、その“曲がり方”から電子密度を導く手法を開発しています。

従来の観測手法では測定範囲に限りがありました。そこで、外惑星からの電波が衛星の電離圏を通る経路をコンピュータで再現し、電子密度を逆算する新しい方法を提案しました。

現在はこの手法を応用して、Cassini探査機のデータからタイタン電離圏の電子密度分布を導出しています。さらに、将来のJUICEミッションに向け、電波の偏波(回転の向き)を活用し、精度向上を目指した検討も行っています。