欧 木星・氷衛星探査機 JUICE — PRWIのアンテナ伸展へ [現予定: 日本時間 2023/4/24夜]

欧州宇宙機関(ESA)の木星・氷衛星探査機JUICEは、雷による一日遅延があったものの、無事 4/14金 に宇宙に旅立っていきました。元気に自撮り写真も送ってきました。我々の「伸展前のセンサー群」がこっそり写り込んでいます。

JUICEは、我々が参加してきた BepiColombo 日欧共同水星探査機に続く 「L-Class」、ESA最大級のミッションです。2031年に木星系に到着し、2034年にガニメデを巡る初の氷衛星周回探査が予定されます。現在は地球に並走する形で太陽系を旅しており、2024年8月に地球の重力を使って方向を変え、一旦金星へと向かいます。
◉ ESA: Project web / Twitter
◉ JAXA: Project web / Twitter

[直近の予定: PRWIのアンテナ伸展へ]

東北大は、電波・プラズマ波動観測器 RPWI (Radio and Plasma Wave Instruments) に参加しています (“欧 木星・氷衛星探査機 JUICE 打ち上げ迫る (2023/4/2)”)。
「木星周回軌道で初めて、電波の方向探知・偏波の観測を可能とする」ことで、木星や氷衛星群が放つ様々な電波、そして衛星からのその反射波を的確に捉えます。木星の強大な磁気圏とその衛星群への影響、オイロパ・ガニメデ・カリストといった「氷衛星」の大気・電離圏と氷でできた地殻、そしてさらにその下に潜む「地下海」にまつわる数々の発見をもたらすことを期待しています。

探査機が放つ電磁ノイズから離れて十分な高感度観測を行うため。我々が提供したアンテナは、長さ10.6-mに及ぶ長大な「MAG-BOOM」の先端近くに載せられています。
この伸展に向けた準備が急ピッチに進行中です。進行予定は以下のようです。
◉ 4/20木: RPWIの宇宙での初起動
◉ 4/21金: 我々のアンテナ部(RWI)が搭載された10.6-mに及ぶ長大な「ブーム」の伸展
◉ 4/24月: RWIを構成する6本のアンテナ (長さ1.25-m) の伸展

ESAアニメのように、無事に展開を終えられるかどうか。東北大組は、仙台からの遠隔接続でリアルタイムに状況を確認し、Go / No-GO を伝える予定です。
太陽・地球および惑星電波の受信に成功し、木星へ続く長旅に花道を飾ることを願っています。

(東北大・理広報pageにも情報あり)
(RPWI全体の責任を負うSweden IRFの紹介ページ および あちらでの速報)