第1回4年生研究発表会(2021/10/18)
10月18日(月)に第1回4年生研究発表会がオンラインで開催されました。宇宙地球物理学科地球物理学コースの4年生が、興味のある分野に関する論文のレビュー発表を行いました。
領域や研究室を跨いだ発表の場は、4年生にとって初めての経験でした。異分野の方々に、惑星科学の最先端を理解してもらえるような説明の仕方、スライド資料の作成について考えることができました。また、他領域の学生の発表を聴く良い機会だったと思います。
PPARCの4年生は、事前の準備として、本番1週間前にスライド資料をお互いに確認し合ったりしました。自分では気が付かなかった説明の漏れなどもお互いに指摘し合い、より良い発表資料を作ることができたと思います。
第2回は来年1月に行われます。第1回は論文レビューという、インプットを自分の言葉で説明する場でしたが、今度は自らの研究のアウトプットを披露する場になります。第2回に向けて
、向上心を忘れずに研究に取り組んでいきたいと思います。
最後に、PPARC4年生それぞれの、発表タイトルと感想を記します。
・近藤大泰
タイトル: Observational Validation of Cutoff Models as Boundaries of Solar Proton Event Impact Area(太陽プロトンの降り込み領域の境界に新たなモデルを使用することによる精度の検証)
感想: 今回扱った論文は様々なモデルを使用しており、1つの論文を読むには、引用されてる論文もある程度精読する必要がありました。引用論文に遡って読んでいくと、情報量はどんどんと増えていき、情報を整理するのでも手一杯になってしまいました。さらに、この膨大な情報を限られた制限時間の中で、伝えたい内容を正しくまとめることにも苦労しました。これは今後訓練していく必要があると感じました。しかし、いろいろとありましたが、当日の発表ではベストな状態で臨むことができました。
・佐藤晋之祐
タイトル: A sublimated water atmosphere on Ganymede detected from Hubble Space Telescope observations: a review (ハッブル宇宙望遠鏡で観測されたガニメデにおける水の昇華大気)
感想: ガニメデのH2O大気の存在が明らかになった、という本論文の結論はネットニュースにも取り上げられるほどエキサイティングな成果でした。今回は、H2O大気の存在を明らかにしたプロセス(観測と解析)を、ストーリー・テラーとして丁寧に伝える、ということを最も重視して発表準備を行いました。難しく複雑な研究を、異分野の方々に理解してもらえるにはどのような説明の仕方が良いのか、じっくり考える機会になったと思います。この経験を次の研究発表に活かしていきたいです。
・寺岡耕平
タイトル: A type III radio burst automatic analysis system and statistic results for a half solar cycle with Nançay Decameter Array data
感想: 概して、情報過多にならずに発表時間内にエッセンスをまとめること、単位時間当たりの情報吸収量に課題がありました。特にこの分野はマニアックかつ原理が複雑なため、Introductionで分かりやすい説明が求められますが、理解不足もあり未説明の専門用語ばかりになった印象です。大学院試後1か月でゼロからのスタートとなり時間は十分ではなかったものの、ご助言をいただきつつ内容を吟味することはでき、ストーリー性は初めてある程度形にはなったかなとは思います。
・吉野富士香
タイトル: Adaptive optics control using model-based reinforcement learning ; review(制御系に強化学習を用いた補償光学の性能の評価)
感想: 研究室内での事前の発表では、皆様から様々なアドバイスを頂き本当にありがとうございました。当日は、質疑応答でもごもごしてしまい、先生から助け舟を頂いてしまいました。また、イントロダクションの内容や伝え方にも課題が残りました。今回得られた課題を克服できるよう、今後も修行を積みたいと思います。発表当日は、久しぶりに他の領域の方々の姿を見れて、興味深い発表を聞けて、とても楽しかったです。第二回4年生発表会も楽しみです!
吉野さんの発表を聴く近藤くん
(文責: 佐藤晋之祐)