JpGU – AGU 2020 合同大会 — オンライン開催 (2020/7/17)
(文責-笠羽)
7/12(日)〜16(木)、日本最大の地球惑星科学組織、日本地球惑星科学連合(JpGU)の年に一度の大会が、今年はアメリカ地球物理学連合(AGU)との合同大会が開催されました。
本来、5月末に千葉・幕張メッセを会場に開かれるはずだったのですが、ご存知「諸般の事情による」、講演総数6000近く?に達する巨大オンライン集会。
我々にとって、生まれてはじめて目の当たりにするものです。
各所でZOOM越しの講演 「Discussion Forum Session (DFS)」、また電子的なポスター掲示「iPoster」の2つの手段を介して、様々なところで様々な成果提示に「挑戦?」をいたしました。
ZOOM講演会場「DFS」では、東北大もボランティア軍団の一翼を担う「会場係」として支えました。
写真は、「記念写真を撮るぞ!」ということで仕事のふりをしていただいた加藤さん(地球物理・宇宙地球電磁気・教授:左)と高柳さん(地学:地学専攻・地圏進化学・助教:右)。撮影は笠羽(PPARC)です。この3人で、Ch.3 [7/12(日)] と Ch.4 [7/12(日)-16(木)] の2つのチャンネルを裏方として支えました。PCは3台、「Ch.3用」「Ch.4用」「20以上ある各Chをつなぐ緊急ホットライン用」。これに、お仕事用&お客参加モニター用の各自のPCを並べて、いざ。
各Chでは、毎日1〜2つのセッションが1.5時間単位で開催されました。ZOOMにはみな慣れていたはずですが、それでも「つながらない」「入れない」「音が出ない」「画面が出ない」「時間オーバー」・・・・と、多様な騒ぎが。なんとか最近の研究活動を共有する舞台にはなった、、、、といいな、というのが我々の感想です。
冷や冷やしながら時間を守りきって成功にもっていった各座長、苦労して講演された皆様、そして日本&世界のいろいろな場所から接続し議論に参加した方々、本当にお疲れ様でした。
ポスター会場「iPoster」も、この後ろで様々な騒ぎを起こしつつ進みました。食い足りないという声に押され、7/19(日)まで継続されます。こちらはポスター会場をビールを片手に眺めていく、といういつのも状況の再現は不可能。受け身姿勢で参加できたDFSとは違い、ポスターは「ひたすら検索&クリックを行う修行の場」。能動的に探さないと情報に至れない。自分が企画側にいるセッション、自分が著者群に入っている発表を巡回するのにも苦労する。
これが「初の成果公表の機会」となった新M1のみなさんには、たいへんな消化不良となってしまったかと思います。
とはいえ、小さなテーマ固定研究会ではない、広範な分野の話をぼーっと聞ける巨大研究会の雰囲気を味わうことができ、感謝いたします。どんなに短いtalkでも、貴重に感じました。研究者にとっての「学会」は、音楽にひたるが如く「ほっておいたら知らない話」「予想外の結果」を分野ごたまぜにぼーっと流して見聞きできる、生きるうえで不可欠な存在だということを実感しました。
半年先までの大きな国際・国内の大中規模の学会は、概ねすべてが「リモート開催」となりつつあります。世界のどこで開催されても、いながらにして(しかも、旅費不要、移動時間不要、参加費も安く)参加できるという巨大メリットが享受できます。反面、受け身で流して眺めて聞ける口頭講演と、手と目で捕まえに個別に捕まえに行かないと情報が取れないポスター講演との差が通常よりも大きい。「情報の撹拌」は科学の世界では欠くこと能わざるもの。いい方法を探しながらのこの1年となりそうです。
我々がCh.3 & Ch.4でのんびり?悪戦苦闘している間、東京圏では感染拡大傾向が止まる気配なく、仙台でも4月以来の十人規模を超えるクラスター発生という事象がありました。数週間後の我々の状況を先読みし適切な対策をとりつつ、この会合終了後も進んでいくことになります。東北大の前期講義期間も、あと残り3週間となりました。