集中講義 — Systems Engineering & 火星探査 (2021/9/29)

(文責: 笠羽)

院試と後期講義開始の間を縫って、恒例の「院生・若手向け企画:横断集中講義」を行いました。
理・地球物理学専攻・修士課程の企画ですが、全学に開かれた形での開催で、理・工を中心に学部学生からスタッフ層まで、数十人のメンバーが元気に参画しました。

年度後半は、仙台の外から人をお呼びできる企画が復活開催していけることを願っております。

[開催情報]  http://aerospace.gp.tohoku.ac.jp/202109-speciallecture/

 

<前半の部> Systems Engineering  —- 8/30(月)-9/1(水)  

システムズエンジニアリング(日本語世界でのいわゆる”SE”とは概念が異なります)は、宇宙開発の世界で適用されその歴史 とともに整えられてきたものです。境界条件や要求に対する最適化の道標として日常的に意識されていますが、その外にも広がる 多くの人間の活動にも適用可能です。

残念ながらCOVID-19の影響で全リモート講義となりましたが、これから始まろうとしている「国際有人月面探査」を例に、宇宙開発の現場の真ん中に出ていくかもしれない皆さんによって、その基礎からプロセス適用までを,試してみることができました。

上野 宗孝 先生 (JAXA・宇宙探査イノベーションハブ 技術主幹)、お疲れ様でした!

 

<後半の部> 火星探査 —- 9/27(月)-29(水)  

COVID-19が急速に下火となったため、久々の「講義室併用」が実現しました。顔を見ながら議論できるのは、やはり盛り上がっていいものです。

「次の有人探査の目標」という性格も併せて進行している「火星」について、比較惑星学・宇宙生物学の両者において重要な「地球」との比較を中心に、惑星内部と表層環境の共進化について解説をいただきました。
物理系・工学系などのメンバーにとっては学部時の基礎教育の範囲に入っていない「地質学・岩石学・地球化学」など、惑星の表面へ降りていくときに必要となる話をカバーし、2030年代の火星探査を考えるというお題を含めた深い講義となりました。

臼井 寛裕 先生 (JAXA ISAS太陽系科学研究系 教授)、お疲れ様でした!

Systems Engineering講義

Systems Engineering講義のコアの1つ「要求分析」。 「何が、要求なのか?」は、物事を実現していく上での基盤ですが、その定義と共有は、なかなかに深い問題です。

火星探査

火星探査のコアの1つ「水環境システム」。 太陽系の過去と現在において、「水」は地球にだけあるのではありません。その姿は、現在そして未来の太陽系探査の最重要目標の1つです。

集中講義の風景

後半の部は、講義室併用で行うことができました。 「講師に当てられつっこみを受ける係」を引き受けていただいたご近所の研究室のみなさま、お疲れ様でした! 楽しかったので、十分その元は取れましたよね。