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2018年11月17日

Bepiくん、順調に飛翔中

(文責:笠羽)

月1度ペースでしか更新していませんが、さすがに忙しいのでご容赦ください。
2ヶ月前1ヶ月前(打ち上げ前)にこの欄で予定を書いていましたが、日欧合同水星探査 Bepiくん、打ち上げを無事に終え、順調に飛翔中です。

射場のあるフランス領ギアナは、

赤道近傍(アマゾン川河口)に近い「赤道近傍」に位置するので、地球の自転速度を有効に活かした効率的打ち上げが可能な位置にあります。パリとポルトープランス(カリブ海の国)しか直行便がないようで、「door to door 37時間移動」。
なぜここが「仏領」かというと、17世紀頭にこの一帯(ギアナ)を仏が占拠したが、 17世紀後半の第二次英蘭戦争+フランスのオランダ侵攻で、西半分->オランダ(今のスリナム)へ、ニューヨークは蘭->英へ・・・ という複雑な経緯ではあります。

木星探査機JUICE打上に行く可能性もある、ということで、打ち上げ中継の youtube に映りにはるばる日本側観測装置代表メンバー群とともに現地へ伺いました。射場と打上は「Arian space社管理」で、ESAから見てもその制御はなかなか大変。予定は本当にぎりぎりまでわからず。打上後のVIP用バス相乗りを危うく日本組は乗車拒否されかかり、また探査機チーム全体の打上後パーティーは場所がなくキャンセル。その他いろいろ・・・ という「JUICE用練習」としてなかなか意味ある経験をして戻ってまいりました。
私にとっては、ロシアの「ソユーズフレガートロケット」の現物を間近で見ることができた、という意味で有意義でした。もともと、我々の探査機は、このロケット(先日打ち上げが失敗したやつですが、本来、世界で最も低コスト効率・高安全なロケットの1つ)で上がるはずでした。結果的に重量が膨れ上がったため、Arian-Vに替わったのですが、思わぬ邂逅でした。

日本の探査機である「MIO」(MMO)は、現在順調に初期動作試験を進めつつあります。
私が開発の主担当を努めてきたMission Data Processor(全観測装置の統合制御機)は 11/7-9に、Plasma Wave Investigation(電波・電場観測装置)は11/10-12に、それぞれ電源投入を行い、「打ち上げ振動では壊れなかった」ことを確認しております。本日現在、初めて宇宙で取得したデータを解析中で、打ち上げ前に気が付かなかった問題をどう潰すか、を現在チーム内で検討中です。

来年3月には、東京のスカイツリーで打ち上げ後初の「全体サイエンスチーム全体会合」が予定され、日欧の枢要メンバーが集合して、我々の本業、すなわち「観測の成果の創出」に向けた作業が開始されます。まだまだ先は長い。

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