2016年5月アーカイブ

2016年5月23日

宇宙・惑星をアウトリーチする

 今年の冬は、オーロラのあたり年でした。太陽活動は、11年周期で活発と静穏を繰り返していますが、今、活動は低下中です。太陽表面の黒点数は、現在40くらいです。これから更に少なくなって行きますが、まだ大きなフレア(太陽面爆発)を起こします。一方、太陽の北極と南極からは、コロナホール(コロナの穴)が赤道に向かって張り出しており、ここから、高速の太陽風が吹き出しています。

 フレアで放出された太陽のコロナガスの塊や、コロナの穴から出る高速太陽風が地球に押し寄せると、地球周辺の宇宙空間は嵐の状態になって、オーロラが出現します。私たちのセンターでは、毎年、北欧や北米に出かけて行って、オーロラを観測します。今季の冬は、以上の2つの原因が重なって激しいオーロラが出現しました。

 一方、私達がハワイ・マウイ島のハレアカラ山頂に設置した光学望遠鏡も、惑星観測に活躍しています。今年の夏には木星に探査機が到達するので、共同観測が企画されています。昨年の12月には、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の金星探査機「あかつき」が、5年越しの挑戦に成功しました。私たちは、今、ハワイの望遠鏡で、金星を観測する準備をしています。

 惑星の研究に世界の力が集まっている様子を、高校生や中学生そして市民の皆様にお伝えすることは、とても重要と考えています。私は、理学部の広報を担当していますので、青葉山に見学に来られた高校生のみなさんに、宇宙と惑星の研究の状況を、実験室の見学を交えながら説明しています。

 青葉山の東北大学理学部には、宇宙・惑星だけではなく、数学、物理、化学、生物、地球科学、そして、天文といった、全てのサイエンスが勢ぞろいしています。月に1回、キャンパスツアーも企画しています。ぶらりと理学部に出かけてみませんか?(小原隆博)

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学生の皆様にオーロラと惑星の研究を紹介しています

2016年5月 9日

水星の日面通過

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 2016年5月9日に水星の日面通過が約10年ぶりに起こります。水星の日面通過は、地球にいる観測者から見て水星が太陽の前を横切る現象です。左の図は、2016年5月9日18:00(日本標準時)から1時間ごとの太陽に対する水星の位置を示したものです。見やすくするため、水星の視直径は実際の2倍に拡大してあります。今回の日面通過は、残念ながら日本からは観測できませんが、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ大陸では良い条件で観測することができます。我々もハワイのハレアカラ観測所において観測を実施する予定です。

 さて、水星の日面通過からどのようなことがわかるのでしょうか?水星には、希薄ながらもナトリウムやカルシウムといったアルカリ(土類)金属元素から成る希薄な大気の存在が知られています。これら水星近傍の大気を構成する元素により、特定の波長において、太陽からくる光が僅かながら吸収を受け、光量が減少します。減少した光の量を精密に測定することで、水星大気の量と分布がわかると期待されます。 (鍵谷)

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