2015年7月アーカイブ

2015年7月27日

飯舘観測所の現況2:「除染が実施されました」

 2015年5月5日付けの当ブログで、飯舘観測所も除染実施間近、とお知らせしました。この除染作業が5月末から一月半ほどかけて行われ、7月中旬に終了いたしました。複数ある観測棟の外壁や屋根は拭き取り、下回りは高圧洗浄を実施頂きました。観測棟や大型電波望遠鏡の周囲や場内の通路は、表土除去の上、客土(砕石敷設)を実施頂きました(写真1)。また、観測所は国有林内の起伏のある土地に設置していますが、傾斜地は草類を剥ぎ取り頂くとともに、落葉等の堆積物も除去頂きました(写真2)。

 飯舘観測所では、2011年3月の福島第一原発事故発生後約一ヶ月の4月下旬から、所内の数カ所で定期的に空間放射線量のモニタリングを行ってきました。今回、除染を実施頂いたことで、空間放射線量は除染前の大凡3分の1に低下いたしました(図1)。観測所作業等が安心して行えるようになったことを、関係者一同、大変感謝しております。

 末筆ながら、この場をお借りして、今回の観測所の除染実施にあたり、細やかなご配慮を下さった環境省と特定建設工事共同企業体(JV)のご担当者の皆様、蒸し暑い梅雨空の下、広い除染対象箇所を丁寧に作業を実施下さった沢山の皆様に篤く御礼申し上げます。

(三澤浩昭)

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写真1.大型電波望遠鏡周囲の除染作業の様子。表土の除去と客土を行って頂いています。

 

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写真2.観測棟北側斜面の除染作業の様子。草類の剥ぎ取り・除去が終了したところです。

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図1.東北大で計測した飯舘観測所の地上1m空間放射線量の経時変化(6定点の平均値)。

2015年7月13日

あけぼの衛星の26年

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 「あけぼの」衛星は、今年の4月23日に運用を停止しました。運用停止の原因は、観測機器の劣化、衛星電源系機器の劣化、衛星高度の低下などで、十分な科学的成果をこれ以上出すことが難しい状況でした。

 1989年2月22日に打ち上げられてから26年2か月という長期間にわたり、オーロラ現象や放射線帯などについて、長期の観測を行い、重要な成果をあげてきました。

 「あけぼの」衛星の挑んだオーロラは、研究の歴史は長いのですが、人工衛星の時代になって、その謎が解かれ始めました。宇宙から高速の電子が地球の大気に衝突し、きれいな光が発せられます。「あけぼの」衛星は、オーロラ電子の加速機構、オーロラ現象の出現と発達過程を調べました。

 「あけぼの」衛星は、私が宇宙科学研究所に入所して初の仕事で、私は現場の担当でした。製作、組み上げ、環境試験、そして運用とデータ処理と、一通り携わりました。

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 私自身も、オーロラの研究に携わりました。普段、宇宙から見たオーロラは、磁極を中心に楕円(だえん)を描いていました。オーロラオーバルという呼称を与えられ、その輪が時々爆発的に輝いたり、大きくなったり、見ていてとても魅了されました。

 時々、そのオーバルに中に、一本の筋が入りました。ギリシャ語のθ(シータ)に似ているので、シータオーロラと名付けられました。

 東北大学の私達のセンターでも、オーロラ研究が盛んです。昭和基地に越冬したり、アラスカに観測に出かけたりしています。

 宇宙からの神秘の光であるオーロラ、その中に、女神を見るのは私だけでしょうか。(小原隆博)

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